院長インタビュー


越智 康 (歯学博士、口腔外科)

―先生は広島大学ご卒業とのことですが。

はい。
卒業後、広島大学の第一口腔外科に残り、大学院で博士号を習得しました。
その後、日本赤十字大学病院へ1年間出向、帰ってきたと同時に医学部の歯学部の麻酔科で半年研修しました。
全身と歯科口腔領域の麻酔の勉強・・・つまり全身管理が出来るための勉強をして、広大の第一口腔外科に帰って助手になりました。
助手時代には、衛生士の学校で講義をしたり、学生の講義補をしたり、実習で学生教育、同時に口腔外科の手術や外来もやってました。

ドイツのエアランゲン(https://goo.gl/maps/p2V9bkJVX7JydzhYA)留学にもしました。

―ドイツに留学ですか?

はい。
ドイツのニュールンベルグにあるニュールンベルグ大学なんですけれど・・・エアランゲンという町にある医科歯科都市があるんです。
例えていえば・・・小さい福山の町みたいな町があるんです、その町自体が大学病院関係の学部だけが集まった町なんです。
シーメンスという有名な会社の本社があるんです。
そこに留学して、毎日手術室に入って、インプラントの勉強をしました。

―バリバリの口腔外科ですね。

インプラントと、主に組織再建(free flap:フリーフラップ、遊離皮弁法)や血管縫合(けっかんほうごう:血管を縫い合わせる)、神経縫合(しんけいほうごう)をメインに勉強しました。
留学期間が済んで大学に戻った後、三菱病院の歯科部長として14年ほど勤務しました。
その後、大学の同級生の吉岡寿治先生のクリニックで一緒に勤務してきましたが、吉岡先生の訃報を受け、吉岡先生の志半ばの意思を受け継ぎ、当時から吉岡先生と共に福山の歯科医療に力を注いでこられた西村先生や衛生士、技工士と共に、さらなる個々に合った歯科医療の提供を目指し、この度福山市船町にて開業する決意をしました。
ファーストデンタル福山の継続のために尽力できればと思っています。

―心に秘めた思いは?

外科出身なので、入院以外の外来で出来る程度の口腔外科治療は当院で出来るようにしたいです。
実際に近くの歯医者さんから何件も送ってもらっているんですけど、親知らずの抜歯など小手術・・・入院は要らないよという症例を出来るようにしたいですね。
大きな病院に1日がかりで行かなくてもいい、当院で30分~1時間あれば出来るなら患者さんも楽ですよね。

―確かに、大きな病院に行くよりもこちらに来て口腔外科の治療が出来る方が患者さんとしても気が楽ですよね。

入院は出来ないですが、他の歯科医院からの受け入れも積極的にやっています。

―親知らずの抜歯は、口腔外科の先生だとあっという間に終わると聞きました。安心してお任せできます。

広島の日赤にいた時、同じ科の菅田先生の横についたり、尾道総合病院や広島県立病院の口腔外科手術の外来の手伝いも行きました。
そのころ、色々な先生の手技(しゅぎ:外科的な処置で必要な一連の手順のこと)を見させてもらったことで研鑽を重ねられました。
腫らさない、痛みは最小限にする、削る量は少なくする・・・「越智に抜かしたら腫らさん」と言ってもらえたことがあり嬉しかったですね。

大きい病院は初診で来て、次に予約する日を決めて・・・と患者さんにとっても3-4時間かけてきて「結局抜くのは次じゃ」となり、大変ですよね。
受付が総合だったり、待ったりで1~2時間は待つ感じじゃないですか。
当院に実際に送られてきて患者さんは、前もって電話で話を聞けば大体の難易度は分かるので、その日のうちに1本目、もしくは2本目まで抜けます。

―2本いっぺんで大丈夫なんですか?

大丈夫です、右と左を分ければね。
患者さんには回数と時間を最小限で、出来るだけ腫らさない、痛みを起こさせない、お金が出来るだけ掛からないようにします。
実は尾道総合病院の第一口腔外科の部長は僕の後輩がしてるんですよ。

―お年寄りの治療が多いと思うのですが、歯がなくなった方に対してのアプローチはインプラントがメインですか?

インプラントは、どちらかというと西村先生中心のプロジェクトです。
僕はインプラントを望まれない方の保険中心の治療です。
フォローは出来ますが、あくまでも僕がやるのは保険中心です。

―それぞれ得意分野があり「チーム医療」という感じですね。

そうですね、専門は振り分けるけどお互いどれも出来ます。
「この先生がやったから俺は触らん」というのではなくて、誰が触ってもフォローし合います。
この患者さんにとってどういった治療がベストで何を作らにゃいかんか?をみんなで意見を言いながら、トータルしてどれがいいのかを常に考えています。

―患者さんサイドからすると嬉しいですよね!最後に患者さんメッセージをお願いします。

最終的にどんな噛み合わせを作りたいのか?かのニーズは患者さんごとに差があります。
痛いところだけ治しておしまいではなくて、患者さんがものを食べられる状態を作るための方法を2つ3つ4つと提示して、それに合わせて患者さんの希望を聞きながら最終的にどこに目標を持って行くかを決めます。

ただ単に歯科医師の自己満足で「ここまでやれば完璧だよ」というのではなく、患者さんが何を求めていて、そこにアプローチするにはどの方法が一番早いか?あるいは安いか?あるいは一番楽か?という方法を提示できる医院でありたいです。

それと、出来るだけ早く治療を終える、延ばし延ばしはしない。

もうひとつ、不定愁訴(ふていしゅうそ)と言って「なんか痛いんやけど、原因がどこの歯医者に行っても分からない」というのが高齢の方に多いんです。
例えば顎関節症(がくかんせつしょう)、三叉神経痛(さんさしんけいつう)、顔面神経(がんめんしんけい)、口腔乾燥とか、粘膜疾患とか、こういった患者さんにも対応していこうと考えてます。

単に時間稼ぎでずっと診るのではなく、的確に診断を付けてあげてどうしたらいいかを出来る歯科医院でありたいと思います。

インタビュー:2021/7/25

歯科医西村のインタビューはコチラ


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