歯科医:西村紳二郎(歯周病専門医・インプラント認定医)
―基本は東京の築地のファーストデンタルの診療がメインだそうですが、先生にとって福山の位置は?
前院長の吉岡先生が急に亡くなったという事実があって、そこで診ていた患者さんやスタッフを「何とかしてあげなきゃならない」という思いがありました。
(治療が)中途半端になっている患者さんを最後まで治療したい・・・歯科医療は治して終わりでなく、メンテナンスをいかにやっていくか?が大事で、そこからが始まりです。
賛同していただける患者さんは、今までやってきたように最大限の治療をしたいと考えてます。
インプラントや補綴(ほてつ:詰め物や被せ物、入れ歯、インプラントなど)でQOL(Quality of life:クオリティ オブ ライフ/生活の質・生命の質)を上げていくためのアドバイスしつつ、地域社会にも貢献するために私が音頭を取ったという形です。
さらに、スタッフみんなが一つになって「やりましょう」という気持ちも相まって、去年の今頃(2020年8月)にそういう方向で動くことが決まり、話をまとめて4か月間めちゃめちゃ急いで2021年1月6日に開業したんです。
私も福山で15年間仕事してましたし「何とか継続してほしい」という患者さんの意向も多かったのです。
東京は東京で21年間やっている中で、コンセプトを含めて固まってるのですが、福山は福山のオリジナリティーをある程度出しつつ、地域社会に貢献していきます。
院長の越智先生は口腔外科の専門医ですので、外科も出来ます。
衛生士さんたちもベテランですからメンテナンスも出来る、痒い所に手が届くクリニックです。
ただ単に患者さんを多く集客するのではなく、いいものを提供していく・・・その人が生きていくための礎(いしづえ)を作っていければいいなと思っています。
やるからには中途半端なものを提供するのではなく、いいもの、いい情報を提供してみんなによくなってもらい、「医院が新しく出来てよかった」とみんなにいってもらわなければなりません。
―大阪から来ていた田中先生も残るのですか?
はい。
一緒にチームとして仕事をしていましたし、麻酔の専門医で手術の全身管理も出来ます。
麻酔だけでなく、歯科の審美的なものも出来るオールマイティな先生です。
―コンセプトは「チーム医療」ですね。スタッフの連携がよく取れているようにみえます。
これだけまとまっているクリニックはなかなかないと思います。
―スタッフ同士の付き合いは結構長いんでしょうか?
もう20年30年は一緒になので、阿吽の呼吸で仕事をしています。
患者さんの事を含めて色々な事を皆が考えて動いてくれるので、僕も安心していられます。
―医院のメンバー構成も先生が福山のために一肌脱ごうと思った動機の一つでしたか?
当然そうです、それが一番大きいんじゃないでしょうか?
―スタッフの息の合い方はホントに素晴らしいですね。
それぞれの性格を知って、その中で動く。
患者さんの事を感じられるスタッフなんですよね。
僕が来たときはどうしても忙しくなってしまうのですが、文句ひとつ言わず頑張ってくれます。
それぞれ自分たちで考えて、行動して、向上してくれる・・・全く指示をしなくても、干渉しなくても大丈夫な素晴らしいスタッフです。
―以前撮影に伺った際、レントゲンを診ながらスタッフと先生が意見交換していました。
ディスカッション(議論)が出来る経験と知識を持った衛生士です。
全員参加型のクリニックを作らなければいけない。
衛生士は、患者さんのいろいろな側面・・・環境や経済状況などのバックグラウンドを知っているから色々考えた上で「こうやった方がいいけど、環境的に難しいので、今はこうだけど将来的にはこうしましょう」など治療計画を立てられるじゃないですか。
―患者さんの事情は、先生よりもスタッフの方がよく知っていますよね、確かに。
今も食事しながらディスカッションして「○○さんはこうでした、これはこうしたらいいのでは?」というと「それはそうだね」ということもあるし「いやいやこっちの方がいいよ」という意見も出ます。
その中で最終的な落としどころどうしようかを、多数決ではなく物の通りを考えた上で決定できる経験豊富なシニアチームです。(笑)
―なるほど!確かにチームワークを感じます。全員が患者さんをよく診て、その情報を吸い上げて、真ん中に集めて「何がベストか?」と考えてくれるのですね。
一番いい方法をみんなで考えます。
「患者さんファースト」の意味はココにあるんですよ。
―そうなんですね!最後にこの地のみなさんにメッセージを。
福山に来て15年以上になります。
広島と岡山の中間地点なんですが非常に患者さんのデンタルIQ(歯の関しての知識レベル)が高いんですよ。
ちゃんと説明して世界レベルのいいものを提供したいので、気軽に相談に来てほしいです。
インタビュー:2021/8/4